【2026年2月版】NVIDIA「Vera Rubin」向けHBM4供給が確定へ:Samsungが急伸、Micronは一歩後退でどうする?!

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 NVIDIA の次世代 AI システム「Vera Rubin」向け HBM4 供給が本格確定。Samsungが世界初の HBM4 量産と高性能で急伸する一方、SK hynix は安定供給力で最大シェアを維持し、HBM 市場の主導権を固めつつある。MicronHBM4 で一歩後退したものの、Vera CPU 向け LPDDR5X 供給で存在感を確保し、プラットフォーム全体では重要な役割を担う構図が鮮明になった。

【2026年2月版】NVIDIA「Vera Rubin」向け HBM4 サプライチェーンの現在地

SK hynix の“供給力”、Samsung の“技術力”、Micron の“静かな転進”を読み解く

 NVIDIA が 2026 年 3 月の GTC で披露する次世代 AI システム「Vera Rubin(VR200)」に向けて、HBM4 のサプライチェーンが急速に固まりつつある。韓国・台湾・米国の複数メディアが報じた内容を統合すると、HBM4 の初期ロットは SK hynix と Samsung の二強体制へと収束し、Micron は当初の想定よりも後退した構図が見えてくる。

 報道を丁寧に読み解くと、2025 年末の provisional allocation(仮割当)と、2026 年初の最終 allocation(確定割当)に明確な差がある。TrendForce や Hankyung が伝えた段階では、以下のような配分が想定されていた。

  • SK hynix:50%台半ば
  • Samsung:20%台半ば
  • Micron:20%前後

 しかし TechPowerUp が報じた最新情報では、Micron が初期ロットから外れ、SK hynix が 70%、Samsung が 30% を占める構図に変化している。Micron の HBM4 qualification(品質認証)での遅れが、Samsung のシェア上昇につながったとみるのが自然だ。

Samsung の HBM4:世界初量産と技術的ジャンプ

 Samsung の動きは特に注目に値する。KED Global によれば、Samsung は 2026 年 2 月第 3 週に世界で初めて HBM4 の量産を開始する。Yonhap や TrendForce の報道では、旧正月明けに出荷が始まるとされており、NVIDIA の Vera Rubin に間に合わせる形だ。

技術面でも Samsung は攻めている。HBM4 の仕様は次の通りだ。

  • DRAM:1c(10nm-class, 6th gen)
  • Base die:4nm(競合は 12nm)
  • データレート:11.7Gbps(JEDEC 8Gbps の +37%)
  • 単スタック帯域:3TB/s(HBM3E の約 2.4 倍)
  • 12-Hi:36GB、16-Hi:48GB

 ただし課題もある。1c DRAM の月産はまだ 70K wafers 程度で、Pyeongtaek Line 4 の増強が完了するまでキャパシティには制約がある。また 4nm base die はコスト・歩留まりリスクが高い。Samsung は HBM4 で技術力を示しつつ、利益率の高い mainstream DRAM を守るという二正面戦略を取っている。

SK hynix:NVIDIA が最も信頼する HBM サプライヤー

 一方で SK hynix は、NVIDIA が最も重視する「安定供給力」で他社を大きく引き離している。HBM2E から HBM3E に至るまでの実績、HBM4 qualification test での高い成功率、そして最大規模の HBM4 キャパシティが評価されている。

 HBM は製造リードタイムが 6 か月以上と長いため、NVIDIA は「最も確実に供給できるメーカー」を優先せざるを得ない。結果として、SK hynix が Vera Rubin の基幹メモリを支える中心的存在となった。

Micron:HBM4 では後退したが、Vera プラットフォームでは重要プレイヤー

 Micron は HBM4 では後退したが、完全敗北ではない。TechPowerUp の報道によれば、Micron は Vera CPU(SOCAMM2)向けの LPDDR5X を最大供給する。Vera CPU は最大 1.5TB の LPDDR5X を搭載でき、NVIDIA はこの CPU を Xeon や EPYC の競合として単体販売する方針を示している。

 そのため Micron の LPDDR5X 需要はむしろ増加する可能性が高い。HBM4 では Samsung と SK hynix に後れを取ったものの、Vera プラットフォーム全体では依然として重要な役割を担っている。

HBM4 市場の現在地:二強+一転進の構図

 2026 年 2 月時点での HBM4 市場は、SK hynix の供給力、Samsung の技術力、Micron の戦略的転進という三者三様の動きが交錯する状況だ。

  • SK hynix:圧倒的な安定供給力でトップを維持
  • Samsung:世界初量産と高性能で急追
  • Micron:HBM4 では後退したが、LPDDR5X で Vera CPU を支える重要ポジションを確保

 HBM4 は AI インフラの中核であり、2026〜2027 年の AI モデル拡大に直結する。Samsung の技術的躍進と SK hynix の供給力は、今後の AI メモリ市場の勢力図を大きく左右するだろう。

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