TSMC (台積電) が2nmプロセスN2の量産を開始。ナノシートGAA採用で密度と電力効率を大幅に強化し、Samsung SF2やIntel 18Aとの比較で優位性が注目される。次世代N2Pやバックサイド電源の動向も含め、2nm競争の最新状況を詳しく解説し、各社の技術戦略の違いもわかりやすく整理した上で最新動向を伝える。
台積電(TSMC)、2ナノ量産を開始 ナノシート世代で技術優位をさらに拡大
半導体受託製造大手の台積電(TSMC)は、2ナノメートル(2nm)プロセス技術が予定通り2025年第4四半期に量産を開始したと発表した(2025年12月30日公式発表)。
TSMCの2nm(N2)は同社初のナノシート(GAA)トランジスタを採用し、高雄の晶圓22工場が主要生産拠点となる。
TSMCはこれに先立ち、新竹サイエンスパークにも2nm工場を建設中であり、顧客の強い構造的需要に対応すると説明していた。更新された技術情報では、低抵抗リセット配線層や高効率メタルインターポーザキャパシタなど、2nmプロセスの性能向上に向けた開発が継続されている。

TSMCは、2nm技術が業界で最も高い密度とエネルギー効率を実現すると強調しており、ナノシート構造により性能と消費電力の両面で改善を提供する。N3E比では性能が10〜15%向上し、同じ性能で消費電力が25〜30%低減、チップ密度は15%以上増加するとしている。さらにTSMCは、2nmファミリーの拡張としてN2Pプロセスを計画しており、2026年下半期に量産開始を予定している。
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競合比較:Samsung・Intel の2nm世代
Samsung:2nm GAA=ナノシート(MBCFET)を採用
Samsung(サムスン)は、Exynos 2600が自社2nm GAAプロセスを採用した初の量産チップであると発表している。SamsungのGAAはMBCFET(Multi‑Bridge‑Channel FET)と呼ばれ、複数のナノシートを積層した構造を持つ。ただし、Samsungは2nm(SF2)世代ではバックサイド電源配線(BSPDN)を導入していない。SF2Pで電源配線の改善が示唆されているものの、正式なBSPDN導入は次世代のSF1.4(1.4nm)とされている。
Intel:18Aで「Panther Lake」を量産開始
Intelの18AプロセスはTSMCの2nmに相当する世代と位置づけられている。歩留まりは改善が進み、同社は18Aプロセスで次世代「Panther Lake」プロセッサの量産を開始した。18AはRibbonFET(ナノシートGAA)とPowerVia(バックサイド電源)を組み合わせた構造を採用しており、配線アーキテクチャの刷新を先行して進めている点が特徴的である。
技術比較:5つの指標(段落+比較表)
以下の比較データは公開分析情報に基づく。
トランジスタ密度
TSMC N2は約313 MTr/mm²と、現時点で最も高い密度を実現している。Intel 18Aは約238 MTr/mm²、Samsung SF2は約231 MTr/mm²とされ、密度面ではTSMCが明確な優位性を持つ。
| 企業 | 密度(MTr/mm²) |
|---|---|
| TSMC N2 | 313(最高密度) |
| Samsung SF2 | 231 |
| Intel 18A | 238 |
性能(速度・ドライブ電流)
性能面ではIntel 18Aが高いドライブ電流を示し、絶対性能では優位とされる。一方、TSMC N2もN3E比で10〜15%の性能向上を達成しており、密度と性能のバランスに優れる。
| 企業 | 性能評価 |
|---|---|
| TSMC N2 | N3E比 +10〜15% |
| Samsung SF2 | TSMC/Intelに劣る可能性 |
| Intel 18A | 最も高性能 |
電力効率
TSMC N2はN3E比で25〜30%の消費電力削減を実現し、3社の中で最も優れた省電力性能を示している。Samsungの2nmはTSMCに劣り、Intel 18AはPowerViaの効果により改善が期待される。
| 企業 | 電力効率 |
|---|---|
| TSMC N2 | N3E比 -25〜30%(最強) |
| Samsung SF2 | TSMCに劣る |
| Intel 18A | 改善が期待される |
配線技術(バックサイド電源)
配線技術ではIntel 18Aが唯一、バックサイド電源配線(PowerVia)を量産導入している。TSMCはN2Pでバックサイド電源を導入予定で、SamsungはSF2では未導入である。Samsungの正式導入はSF1.4世代とされる。
| 企業 | バックサイド電源配線 |
|---|---|
| TSMC N2 | N2Pで導入予定 |
| Samsung SF2 | 未導入(SF1.4で導入予定とされる) |
| Intel 18A | PowerVia量産導入 |
量産時期
Intel 18Aは2025年下半期に量産開始し、TSMC N2は2025年第4四半期に量産を開始した。Samsung SF2も2025年に量産を開始しているが、量産規模ではTSMCが最も大きい。
| 企業 | 量産開始 |
|---|---|
| TSMC N2 | 2025年Q4 |
| Samsung SF2 | 2025年 |
| Intel 18A | 2025年下半期 |
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総括:TSMCは2nm世代でも「密度・省電力・量産安定性」で軸を握る
3社とも2nm世代でナノシートGAAへ移行したが、TSMCは密度・電力効率・量産安定性の3点で最もバランスが取れており、2nm世代でも業界の中心的存在であり続けている。SamsungはGAA量産経験が長いものの、BSPDN導入がSF1.4まで遅れる点でIntel・TSMCに後れを取る。Intelは性能と配線技術で先行するが、総合力ではTSMCが依然として優位に立つ。
最新技術情報は、毎年2月に開催されるIEEE International Solid-State Circuits Conference (ISSCC)に注目が集まる。
参考資料(Sources)
中央社(CNA)台積電宣布2奈米量產 全球最先進製程擴大領先優勢
https://www.cna.com.tw/news/afe/202512300282.aspx
XFastest 台積電2nm、Intel 18A製程首次比較
https://news.xfastest.com/others/148766/tsmc-2nm-intel-18a-2/


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