サムスン2D NAND撤退と1C DRAM転換・HBM4拡大|残存Macronix/GigaDeviceが漁夫の利か?NOR型フラッシュと同じ構図か!

Samsung HBM4 半導体情報
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 サムスンが最後の2D NANDラインを停止し1C DRAMへ転換、HBM4拡大を加速。SK hynixも投資を強化し競争激化。残存するMacronixやGigaDeviceは漁夫の利を得る構図で、NOR型フラッシュ市場に似た再編が進行中。AI・高性能計算需要に応えるメモリ業界の大転換を詳しく解説し、今後の展望を提示。

2D NANDの幕引き

 サムスン電子は2026年3月をもって最後の2D NAND(平面型NAND)生産ラインを停止し、正式にこの技術から撤退します。対象となるのは韓国・華城(Hwaseong)のLine 12で、月産8万~10万枚の12インチウェハーを処理してきた大規模ラインです。これにより、2002年に1Gb NANDを量産開始して以来続いたサムスンの2D NANDの歴史は完全に幕を閉じることになります。「サムスンは2002年に1Gb NANDを量産し、2013年には3D V-NANDを商業化した。13年後、最後の2D NANDラインを閉じる」。

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3D NANDへの完全移行

 2D NANDは低価格ストレージ(USBメモリなど)に広く使われてきましたが、微細化の限界や信頼性の課題から、業界全体が3D NANDへ移行しました。サムスンも中国・西安工場を中心に、128層(第6世代)から200層以上(第8世代V8)への高度化を進めています。現在、西安工場はサムスン全体のNAND生産の約40%を担っており、韓国で減産される分を補う役割を果たします。

Hwaseong Line 12の再生:1C DRAMへ

 停止されるHwaseong Line 12は廃棄されるのではなく、1C DRAMの後工程(配線や金属インターコネクト)専用ファブへと転換されます。これはサムスンの戦略的な動きであり、次世代HBM4(High Bandwidth Memory 4)の基盤となる1C DRAMの供給力を強化する狙いがあります。サムスンはPyeongtaekのP4工場も含め、DRAM専用ラインへの投資を拡大しており、2026年後半には1C DRAMの月産能力を20万枚規模にまで引き上げる計画です。

SK hynixとの競争

 ライバルのSK hynixも同様に1C DRAM投資を加速しています。M16工場の1a DRAMラインを1Cへ転換し、さらに1bラインも同様に更新予定です。2025年時点で月産9万枚だった1C DRAMは、2026年には17万~20万枚規模へ拡大する見込みです。また、2030年までに韓国・龍仁半導体クラスターへ総額約31兆ウォン(約215億ドル)を投資する計画も発表されています。

残された2D NANDのプレイヤー

 サムスンの撤退により、残された2D NANDの生産ラインは以下の通りです。

  • Kioxia:24nm SLC(2012年生産、在庫のみ)
  • Macronix(台湾):19nm MLCとSLC
  • Winbond(台湾):32nm SLCと24nm SLC(2025年CS)
  • GigaDevice(中国):19nm SLC(SMICが生産)
  • Micron:25nm SLC(2012年生産)

 この中で、漁夫の利を得る可能性が高いのは台湾Macronix中国GigaDeviceです。市場構図は、すでに成熟したNOR型フラッシュメモリ市場と同様の様相を呈しています。

意義と展望

  • 2D NANDの完全終了:業界全体での3D NANDへの移行が完了し、低コスト用途も含めて平面型NANDは姿を消す。
  • 1C DRAM強化:HBM4やサーバー向け製品の需要増に対応するため、サムスン・SK hynixともに生産能力を急拡大。
  • 残存プレイヤーの台頭:MacronixやGigaDeviceが、ニッチ市場で存在感を高める可能性。
  • AI・高性能計算への対応:1C DRAMはAIや高帯域幅用途に不可欠であり、両社の投資は今後の市場競争力を左右する。

まとめ

 サムスンの2D NAND撤退は、単なる技術の世代交代ではなく、AI時代のメモリ戦略の大転換を象徴しています。平面型NANDの終焉とともに、3D NANDと1C DRAMが主役となり、AI・サーバー・高性能計算市場に向けた供給体制が整いつつあります。一方で、残存する2D NANDプレイヤーはニッチ市場での生き残りを図り、NOR型フラッシュメモリと同様の構図が形成されつつあります。サムスンとSK hynixの競争、そしてMacronixやGigaDeviceの台頭が、今後のメモリ業界の勢力図を大きく塗り替えることになるでしょう。

参考文献

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