中国版マンハッタン計画でEUV半導体覇権へ挑戦|Huaweiは試作機完成!ASML方式との比較、日本人光学系人材流出

中国半導体国産EUV開発 中国情報

 中国が進める「中国版マンハッタン計画」は、ASML方式の模倣とHuawei方式の独自開発を並行し、EUV半導体覇権を目指す国家戦略です。深圳で完成した試作機は光学系の課題を抱えつつも稼働し、日本人光学系人材の流出が深刻な影響を与えています。ASML方式とHuawei方式の比較を通じて、半導体冷戦の新局面と日本の安全保障リスクを浮き彫りにする衝撃の分析記事です。

中国版マンハッタン計画とEUV方式の二つの道
ASML方式 vs Huawei方式から読み解く半導体冷戦

国家戦略と組織体制

 中国は深圳のHuawei秘密研究所でASMLのEUV露光装置をリバースエンジニアリングした試作機を完成させた。これは習近平が掲げる半導体自立戦略の一環であり、国家安全保障案件として徹底した秘密体制のもと進められている。指揮は習近平の側近である丁薛祥が率いる中央科学技術委員会が担い、数千人規模の技術者が動員されている。関係者はこれを「中国版マンハッタン計画」と呼んでいる。

Source Exclusive: How China built its ‘Manhattan Project’ to rival the West in AI chips

ASMLと西側の対応

 ASMLは2001年にEUV試作機を完成させ、2019年に商用量産化に成功した。現在、EUV装置は台湾、韓国、日本など米国の同盟国にのみ供給され、中国には一度も販売されていない。米国は2018年以降オランダに圧力をかけ、中国への輸出を阻止し、2022年には包括的な輸出規制を導入した。西側は中国を常に一世代遅らせる戦略をとり、DUV装置の供給も制限している。

人材獲得と秘密体制

 中国は2019年から海外半導体人材の獲得を強化し、数千万円規模のサインボーナスや住宅補助を提示して元ASML技術者を積極的にリクルートした。入社時には偽名IDを渡され、施設内では偽名で勤務する徹底した秘密保持体制が敷かれている。ASML光源技術責任者だった林楠は上海光学研究所で短期間に複数のEUV関連特許を出願している。

 さらに、光学設計人材獲得の草刈り場となっているのが「千葉県船橋市鈴身町488−19」にあるHuaweiの拠点である。ここでは熟練技術者を高額報酬の契約社員として雇い、中国深圳や東莞の研究所に送り込む任務を担っている。光学系はEUV装置の心臓部であり、日本の技術者が持つ知見は中国の試作機改良に直結するため、戦略的に重要な役割を果たしている。

試作機の内部

 試作機はASMLの最新EUV装置よりもさらに巨大で、光学系はドイツのカール・ツァイス製が入手困難なため、中国科学院の長春光学精密機械研究所が代替を開発した。EUV光源はレーザーを溶融スズに毎秒5万回照射し、20万度のプラズマを生成し、特殊ミラーで集束する仕組みである。

部品調達と逆解析

 中国は旧型ASML装置や日本のニコン・キヤノン製部品を中古市場から調達し、大学卒業生約100人が部品の分解・再組立を担当している。成功するとボーナスが支給され、逆解析によって技術習得を進めている。中古市場やオークションを通じて部品を入手し、ネットワーク企業を介して最終需要者を隠す手法も用いられている。

ファーウェイの役割

 Huaweiは設計から装置調達、製造、製品統合まで全工程に関与している。社員は現場に寝泊まりし、週中は帰宅禁止や通信制限を受ける場合もある。チームは互いの業務を知らされず、機密保持のために隔離されている。CEO任正非は進捗を中国指導部に直接報告している。HuaweiはASMLのLPP方式ではなく、放電生成プラズマを改良したLDP方式を採用し、構造簡素化とコスト削減を狙っている。

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EUV方式の比較(ASML vs Huawei)

項目ASML方式(LPP)Huawei方式(DPP/LDP)
光源生成高出力レーザーでスズ滴を直接プラズマ化レーザー+電極放電でスズガスをプラズマ化
出力高出力、量産適性あり出力不足が課題、効率改善を狙う
装置サイズ巨大(スクールバス級、180トン)構造簡素化で小型化可能
技術成熟度商用量産済み(2019~)試作段階、2026年量産目標
コスト数億ドル規模低コスト化の可能性

まとめ:冷戦の新局面

 中国はASML方式の模倣とHuawei方式の独自開発を並行して進めており、西側は輸出規制と人材流出防止で対抗している。半導体冷戦は技術の優劣だけでなく方式の選択にも広がりつつあり、2030年までに中国が国産EUVでチップ量産に成功すれば、世界の半導体地図は大きく塗り替わる可能性がある。日本国内のHuawei拠点から光学設計人材が流出している事実は、この構図において特に深刻な意味を持ち、西側の技術優位を揺るがす要因となっている。

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