台湾の半導体製造受託TSMC(台積電)が2025年に粗利率60%、営業利益率50%で過去最高を更新。AI需要と2nm量産が収益を押し上げ、2026年1Qは史上最強の可能性が指摘されている。先進プロセス逼迫が続き、主要顧客の枠確保競争が激化する中で、データセンターなど市場背景も重なりTSMCの優位性がより鮮明になっている。
12月・第4四半期・通期すべてで過去最高を更新
台積電(TSMC)が発表した2025年12月の連結売上高は3,350億台湾ドルとなり、前年同月比20.4%増で過去同月の最高記録を更新した。12月単月の強さはそのまま第4四半期の数字に反映され、四半期売上は初めて1兆台湾ドルを突破して1兆460.9億台湾ドルに到達している。
これはTSMCの季節性を考えると異例で、通常は年末に向けてスマホ関連が落ち着く時期だが、AI向けの先進プロセス需要がその弱さを完全に相殺した形だ。通期でも前年比31.6%増の3兆8,090.5億台湾ドル(約19兆3,000億円;1TWD=4.99605円)と過去最高を更新し、2025年は「AI特需が本格的に収益へ反映された年」と位置づけられる。

先進プロセスの逼迫と2nm量産立ち上がり
TSMCは第4四半期のドル建て売上を322〜334億ドルと予想していたが、為替の追い風もあり、実績は会社予想を上回る可能性が高い。粗利率59〜61%、営業利益率49〜51%という高い収益性は、先進プロセスの価格支配力を示している。特に3nm以下は供給が逼迫しており、顧客側が「枠を確保できるかどうか」が競争力に直結する状況だ。
さらに、今年から2nmの量産が本格化する見通しで、これは台積電にとって次の収益ドライバーになる。法人筋が「2026年第1四半期が史上最強になる可能性」を指摘するのも、単なる需要増ではなく、先進プロセスの値上げ効果が重なるためだ。通常は季節要因で落ち込む時期だが、今回はその常識が通用しない。
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大口顧客の先行確保と台積電の優位性
15日の決算説明会では、2026年第1四半期の見通しと先進プロセスの値上げが主要テーマになる。NVIDIAやAMDの新プラットフォーム投入が控えているほか、Broadcomなど非Apple顧客もAI関連の投資を加速しており、3nm以下の先進プロセスは今後もタイトな状況が続く。
すでに大口顧客は生産枠の先行確保に動いており、TSMCの先進プロセスは「買いたくても買えない」状態に近い。こうした需給環境は台積電にとって極めて有利で、同社がファウンドリ市場で圧倒的なリーダーシップを維持し続ける理由がここにある。2026年は、2nmの立ち上がりとAI需要の継続が重なり、TSMCの収益構造がさらに強固になる可能性が高い。
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