2025年Q3 NAND型フラッシュメモリのシェア/SSD市場レポート 最新動向|キオクシアの苦戦と揺るがないサムスン

NAND share-SSD share 2025q3 半導体情報

 2025Q3のNANDフラッシュ市場とエンタープライズSSD市場はAIインフラ拡張で急成長。サムスンがトップを維持する一方、Kioxiaは技術開発の遅れで苦戦。Hynixは2位を確保し、MicronやSanDiskが続く。注目は中国YMTCの急伸で、中国国内需要を背景に主要5社に迫り、既存勢力の構図を塗り替える動きだ。

2025年Q3 NANDフラッシュ&エンタープライズSSD市場レポート
~AIインフラ拡張が牽引する世界市場と中国YMTCの台頭~

市場全体の動向

 2025年第3四半期は、クラウドサービスプロバイダー(CSP)がAIサーバーや汎用サーバーを同時に増設したことで、NANDフラッシュとエンタープライズSSDの両市場が大きく成長しました。

NANDフラッシュ市場

 上位5社の合計売上は 約171億ドル(前期比+16.5%)。エンタープライズSSD比率の増加が平均販売価格(ASP)を押し上げ、HDD供給不足も価格上昇を後押ししました。Q4にはさらに 20〜25%の価格上昇が予測されています。

Trendforce-3Q25 Revenue Ranking of NAND flalsh suppliers

エンタープライズSSD市場

 上位5社の合計売上は 約65.4億ドル(前期比+28%) と過去最高を更新。AI需要が「学習」から「推論」へ広がり、北米CSPが在庫積み増しを進めたことで供給不足懸念が強まっています。Q4は契約価格が +25%以上上昇する見込みです。

Trendforce-3Q25 Revenue Ranking of eSSD

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ベンダー別パフォーマンス比較(2025年Q3)

企業NANDフラッシュ売上エンタープライズSSD売上特徴・戦略
Samsung約60億ドル(+15.4%)約24.4億ドル(+28.6%)TLCポートフォリオ強み、32.3%シェア維持
SK Group (SK hynix + Solidigm)約35.3億ドル(+5.7%)約18.6億ドル(+27.3%)QLC SSD需要増、AIワークロード対応
Kioxia約28.4億ドル(+33.1%)約9.78億ドル(+30%超)BiCS8移行、NANDダイ供給戦略で柔軟対応
Micron約24.2億ドル(+15.4%)約9.91億ドル(+26.3%)PCIe SSD強化、データセンター需要獲得
SanDisk約23.1億ドル(+21.4%)約2.69億ドルQLC・218層製品拡大、クラウド/エッジ需要

NANDフラッシュ市場シェアの長期トレンド(2014〜2025年Q3)

筆者作成のグラフに基づき、各社のシェア推移と競争構造を整理すると以下の通りです:

NAND flash market share-revenue
Trendforceのデータに基づき作成。四半期ごとの各社NAND売上推移を示す。
NAND flash market share
Trendforceのデータに基づき作成。韓国サムスンは常に30~35%のシェアを獲得し、Hynix、(Micron/Kioxia/Micron)と続く。
Othersは中国のYMTCであり、世界勢力図をを塗り替える可能性がある。
  • Samsung
     常にトップを維持し、シェアは30〜35%で安定。技術力と製品ラインの充実さが強みで、AIサーバー需要にも迅速に対応。
  • SK hynix(+Solidigm)
     Solidigm統合後にシェアを拡大し、2020年以降は常に2位。QLC SSD展開で存在感を高め、Kioxiaに優位。
  • Kioxia
     長期的にはシェア減少傾向。2025年Q3に一時的に15.3%まで回復したと報じられたが、季節要因や在庫調整によるもので、構造的な回復とは言い難い。
  • Micron / SanDisk
     中位グループとして安定。Micronはデータセンター向けPCIe SSDで競争力を強化、SanDiskはQLCと218層技術でクラウド・エッジ用途に注力。
  • Others(実質YMTC)
     最も注目すべきは中国の YMTC(長江メモリ)。2020年代後半から急速にシェアを拡大し、主要5社の背後まで迫っている。出荷ベースではKioxia・SanDisk・Micronを抜く勢いで、中国国内でNANDをYMTC製に置き換える動きが加速すれば、自然とシェア上昇が続くと見られる。

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中国国内のNAND需要構造(2025年)

  • 市場規模:2025年時点で 約182億ドル、2033年には 384億ドルへ拡大予測(年平均成長率15.2%)。
  • 需要の中心
  • スマートフォン:国内ブランド新機種にYMTC製品採用が拡大。
  • PC・民生機器:低価格帯でYMTCが浸透し、価格競争を激化。
  • データセンター:AI普及に伴い高性能SSD需要が増加。既存メーカーは高付加価値領域へシフト。
  • 政策背景:制裁リスク回避と供給安定化のため、国内調達比率を高める動きが強まっている。

まとめと展望

  • Samsungの優位は継続しつつも、SK GroupとKioxiaの競争が激化。
  • YMTCの台頭は「Others」カテゴリの急伸として現れ、中国国内需要構造の変化が世界市場再編を加速させる可能性が高い。
  • NAND市場はAIサーバー需要とHDD代替需要に支えられ、価格上昇と収益拡大が続く見込み。エンタープライズSSDも供給制約下で高ASPを維持し、Q4も記録更新が期待される。

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