中国半導体市場の最前線を徹底解剖!最新のファウンドリ、IC設計(SoC/ファブレス)、メモリ(DRAM/NAND)、製造装置、パッケージ&テスト、EDA、材料などカテゴリ別トレンドを詳細に整理し、SMIC、YMTC、ハイシリコンなど主要プレイヤーの戦略をダイナミックに紹介。成長市場で勝利するための知見を今すぐチェック!
筆者紹介:国内大手電機メーカー先端半導体開発を経て、台湾で10年以上、開発部長として先端半導体開発に従事。現在は、東アジアを中心に半導体コンサルタントに携わる。
中国半導体最新動向
中国政府の強力な支援策と巨大市場を背景に、現地メーカーはメモリからロジック、先端デバイスまで幅広い製品群を揃えつつあります。現時点では、中国国内で調達できない半導体は無いと言えるレベルまで達しました。品質・信頼性・歩留まり問題は大きな課題であるのも事実ですが、課題を克服するのも時間の問題でしょう。
さらに、中国のディスクリート半導体メーカーも製品分野ごとに整理しました。パワー系から高周波、光デバイスまで、用途や技術領域ごとに俯瞰できる形です。ご参考ください。
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プロセッサ系:ロジックIC/AIチップ/カスタムIC
ロジック分野ではSMIC(中芯国际)、HiSilicon(海思)、Unisoc(紫光展锐)がスマホやIoT向けSoC設計とファウンドリを一括提供。AIチップにはCambricon(寒武纪)、Biren Technology(壁仞科技)、Horizon Robotics(地平线)がニューラルプロセッサーやGPU型アクセラレータを投入。通信機器向けカスタムIC(ASIC)はHiSilicon、Sanechips(中兴微电子)、Chip-on(芯片之王)がHuaweiやZTEとの連携を強化しています。

メモリ系領域:NOR/DRAM/3D‐NAND/2D‐NAND
DRAMではCXMT(合肥长鑫)、GigaDevice、JHICC(晋华集成)がDDR4/DDR5の自社量産を推進中。特にJHICCは米国の制裁下で開発計画に遅延が生じています。
不揮発性メモリでは、NORフラッシュにGigaDevice(兆易创新)、Puya(普雅)が君臨。IoTや車載市場での採用を拡大しています。
NAND型フラッシュメモリでは、3D-NANDにおいてYMTC(长江存储)のXtacking技術が存在感を放ち、2D-NANDはFudan Micro(复旦微电子)、Puya、CXMTが生産・研究を進め、小容量SSDや組み込みストレージ向けに安定供給を図っています。
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汎用メモリ/特殊メモリ:EEPROM/ROM/MRAM/PCRAM
制御用途のEEPROM/ROMではGiantec(晶豪科技)、AiT Semiconductor(艾特半导体)、GigaDeviceがシリアルEEPROMやOTP ROMで家電・産業機器を支えます。
次世代不揮発性メモリにも注目が集まり、MRAM分野ではEtron(鈺创科技)、Spin Memory(米中合弁)、Fudan MicroがSTT-MRAMの試作・量産準備を進行。PCRAMはFudan Micro、Boya Micro(博雅微)、Achip(艾芯微)が相変化メモリの研究開発をリードし、産業・軍事用途への適用を模索しています【下記参照】。

MRAM/PCRAMに注目が高まる
自動車は今や“走るデータセンター”。SDV(ソフトウェア定義車両)時代の到来により、DRAMやフラッシュメモリの需要が急増。自動車用メモリ市場として、MRAMとPCMに注目が集まっています。いち早く量産実績を整えて、世界にイニシアティブをとりたいのが中国半導体。
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中国のMRAMベンダー動向
- Etron(鈺創科技)…台湾系ながら中国本土研究拠点でSTT‐MRAM試作開発。
- Spin Memory…米中合弁でToggle MRAM+STTの技術検証を実施。
- Fudan Micro(復旦微)…相乗効果狙いで大学連携、量産フェーズへの移行を模索。
世界市場では、2023年の売上595百万ドルから2036年には4,798百万ドルへ年率19%成長が予測され、中国国内企業は国策ファンドの支援を受けながらキャッチアップを狙っています。
中国のPCRAMベンダー動向
- Fudan Micro…相変化材料の薄膜プロセス開発リーダー。
- Boya Micro(博雅微)…集積度と耐熱性を両立するセル設計を推進。
- Achip(艾芯微)…軍事・産業用途に向けた高耐久モジュール試作。
相変化メモリPCMの世界市場は今後5年で堅調に拡大が見込まれ、特に軍事分野での需要が底堅いと言われます。そのため、中国政府は「半導体大基金」を通じて研究開発支援を強化し、量産体制の早期構築に資金を投じています。
中国EDAツールの現状
従来はSynopsys、Cadence、Siemens EDAといった米欧大手が市場をほぼ独占していましたが、米国の輸出規制強化を受け、米国依存からの脱却が急務となり、中国は国産化を国家戦略として推進し、国産EDAメーカーの台頭した。
国際環境の変化
2025年7月、米国が一部EDAソフトの対中輸出規制を撤回し、Siemensなどが中国顧客への全面アクセスを再開した【なぜ???】。ただし、先端ノード(例:3nm以下)向け機能やAIチップ設計支援などは依然規制対象が続くと思われる。
一方、米国の規制強化時期(2022〜2024年)に、中国国内ではEDA国産化が急速に進み、影響は限定的との見方もある。
国産EDAメーカーの台頭と課題
- 華大九天(Empyrean Technology):アナログ・ミックスドシグナル設計やレイアウトツールに強み
- 芯願景(Xpeedic):高速伝送・RF設計向けシミュレーションツール
- 概倫電子(GaiLun / Primarius):SPICEモデリングやデバイスシミュレーション
国微集成(GW Instek China)など、特定分野に特化した中小企業も増加した。政府は、「中国製造2025」や「集成電路産業発展推進綱要」などの政策でEDA開発を重点支援。大学・研究機関との連携も活発。
今後の展望
米国規制の緩和で海外EDAの利用が部分的に復活する一方、国産EDA開発は戦略的に継続される見込み。中国EDA企業は、国内市場でのシェア拡大とともに、東南アジア・中東など規制影響の少ない地域への輸出も視野に入れている。
ディスクリート半導体
中国のディスクリート半導体メーカーを、製品分野ごとに整理しました。パワー系から高周波、光デバイスまで、用途や技術領域ごとに俯瞰できる形です。

パワー半導体は特に力を入れており、もはや日米欧からパワー半導体を調達しなくても、中国国内から調達できるほどです。品質の観点ではまだ課題は残るものの、車載特化型など特殊仕様を除けば、国内パワー半導体で事足りる状況です。
まとめ
中国政府の強力な支援策と巨大市場を背景に、現地メーカーはメモリからロジック、先端デバイスまで幅広い製品群を揃えつつあります。現時点では、中国国内で調達できない半導体は無いと言えるレベルまで達しました。品質・信頼性・歩留まり問題は大きな課題であるのも事実ですが、課題を克服するのも時間の問題でしょう。
昨今では、自動車、軍事需要として、ディスクリートパワー半導体、MRAM、PCRAMにも注力している傾向がうかがえます。


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