2025年9月10日~12日開催のSEMI-e深圳国際半導体展にて、中国半導体装置・材料メーカーの最新動向を現地取材。NAURAのPVD/CVD、KFMIのCuMnターゲット材、AMECの5nm対応エッチング技術など、成熟領域と未踏領域を深掘り。中国製装置の量産対応力や最先端技術への課題も明らかに。
中国半導体の現在地を体感する──SEMI-e深圳国際半導体展2025に参加
2025年9月10日から12日にかけて、深圳国際会展中心で開催された「SEMI-e深圳国際半導体展暨2025集成電路産業イノベーション展」に参加した。会場は深圳宝安国際空港に隣接しており、飛行機の離発着を間近に見ることができる。圧倒的な広さを誇るこのコンベンションセンターには、5000社以上の企業が出展しており、セミコンチャイナに比べれば規模は小さいものの、すべてを回り切るのは到底不可能なほどのボリュームだった。


展示テーマは産業チェーン全体を網羅
展示は「Chip Design」「IC Fabrication」「Advanced Packaging」「Semiconductor Equipment」「Semiconductor Core Part」「Semiconductor Material」「Compound Semiconductor & Power Device」「AI Computing Power」など、半導体産業の全工程を網羅するテーマで構成されていた。特にAIや車載向け半導体に焦点を当てたカンファレンスも同時開催され、技術と応用の両面から中国半導体の進化を体感できる場となっていた。
中国製装置の成熟度──量産レベルはすでに合格点
今回の展示で最も印象的だったのは、中国国内の装置メーカーが、設計から量産までを自国製装置で完結できるレベルに到達しつつあるという事実だ。一般的なツールに関しては十分に合格点を与えられる品質であり、熟成されたプロセスであれば中国製装置でも十分な生産が可能だと感じた。ただし、最先端ノードに必要な装置については、まだ時間と経験が必要な段階である。
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NAURAの全方位戦略と課題──PVDは強いがCVD/ALDは発展途上


中国半導体装置メーカーの代表格がNAURA(北方華創科技)である。PVD装置に強みを持ち、自信を持って展示していた。CVDやALDも手掛けているが、最先端半導体の開発・製造に求められる緻密な設計や共同開発の経験が不足している印象を受けた。特にCVDやALDは、バッチ炉の最適化など高度なプロセス制御が必要であり、装置メーカーとファブが密に連携して課題を解決していく必要がある。中国国内ではそのような機会がまだ限られているため、これらの分野では発展途上といえるだろう。
NAURAは酸化炉、アニール装置、WET洗浄装置、プラズマエッチング装置、エピ装置など、あらゆるプロセスに対応する全方位戦略を展開している。また、高純度半絶縁SiC成長炉など、化合物半導体やパワー半導体向けの特殊プロセス装置も提供しており、SMICやYMTCへの優先導入によって経験値を蓄積し、装置品質の向上を図っている段階だ。
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KFMIのCuMnターゲット材が示す材料技術の深層
NAURAのブースの隣には、KFMI(Konfoong Materials International)が出展していた。中国を代表する高純度金属材料およびスパッタリングターゲット材のメーカーであり、NAURAとの連携の深さがうかがえた。驚いたのは、KFMIがCuMnターゲット材を展示していたことだ。CuMnは最先端ノードで不可欠な材料であり、中国国内の製造ラインで使用されていることを示している。
さらに驚くべきは、高純度Mnを供給できる企業が世界で日本の1社しかないにもかかわらず、中国国内でCuMnターゲット材が生産されているという事実だ。これは、中国に高純度Mnを供給できる企業が存在することを意味し、非常に注目すべきポイントである。


オートプローバー分野でも中国製が台頭
検査装置の分野でも、中国製の進化が目立った。これまでオートプローバーといえば東京精密や東京エレクトロン(TEL)の独壇場だったが、今回の展示ではHUASI(華矽半導体設備)とSEMISHARE(森美協爾)の2社が、これら日本企業に匹敵する製品を展示していた。すでに中国国内の半導体メーカーに多数納入されており、測定系まで中国製装置で対応できる状況にあることは驚きだった。




AMECの技術力──エッチングでLamに迫る
さらに、AMEC(中微半導体設備)も盛況だった。AMECは中国を代表する先端半導体製造装置メーカーであり、特にエッチング装置とALDに強みを持つ。ロジック5nm対応のドライエッチング技術を有しており、Lamに匹敵する技術レベルかどうかは議論の余地があるが、少なくともTSMCやYMTCへの納入実績があることから、その技術力は確かなものだといえる。CVDやALDに関しては、NAURAよりもAMECの方が得意としている印象を受けた。


中国半導体の進化をどう捉えるか──成熟領域と未踏領域の見極め
今回の展示を通じて、中国半導体産業は「成熟したプロセス」ではすでに自国製装置で十分に対応可能な段階に達しており、最先端技術への挑戦も着実に進んでいることが確認できた。KFMIのCuMn展示に象徴されるように、材料分野でも中国は見えない壁を突破しつつある。これは日本企業にとっても、戦略的な警鐘となる可能性がある。
このような現場のリアルな観察と考察は、SNSやメディアではなかなか触れられない深層部分であり、今後の中国半導体の動向を読み解くうえで極めて重要な視点となるだろう。
近日開催予定の中国半導体展覧会
2025年11月14日~16日に深圳で開催予定の半導体展覧会。
第27届中国国际高新技术成果交易会亚州半导体与集成电路产业览
(第27屆中國國際高新技術成果交易會亞州半導體與整合電路產業覽)
11月14日~16日 深圳国際展示場
重点企業:KFMI、NAURA、HUAWEI、華紅集團、Intel、CXMT他


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