高市早苗首相とトランプ米大統領の会談を台湾主要メディアはどう報じたのか。自由時報は安倍路線継承と抑止力強化を歓迎し、聯合報は戦略的意義を認めつつ過度な期待を戒め、中国時報は見た目の効果と実際の成果のギャップや対中リスクを指摘、風傳媒は外交デビューと戦略継続性を分析。日米台連携強化の行方を多角的に解説する注目記事です。
台湾メディアが見る「高市・トランプ会談」
――安倍路線継承と日米台連携の行方
総論
2025年10月28日の高市早苗首相とドナルド・トランプ米大統領の会談は、台湾メディアで大きく報じられました。「日米同盟の強化は台湾にとって安心材料」と歓迎する一方で、「中国の反発リスク」や「トランプ外交の不確実性」を冷静に指摘する論調も目立ちます。
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自由時報(リベラル寄り):安倍路線継承と抑止力の強化
- 高市首相を「安倍晋三の後継」と位置づけ、台湾への友好姿勢を歓迎。
- 「日米同盟の新たな黄金時代」という表現を強調し、台湾にとって抑止力強化の証と報道。
- 防衛費GDP比2%の方針を「台湾にとって安心材料」と評価。
👉 自由時報 国際ニュース
聯合報(中道・保守寄り):戦略的意義と慎重な見方
- 会談を「米日台三角連携の布石」と評価。
- ただし、トランプ外交の不確実性を強調し「期待しすぎないことが重要」と論じる。
- 台湾は日本との協力を強化しつつ、米国の政策変動に備えるべきと指摘。
👉 聯合報 要聞・国際
中国時報(やや親中寄り):見た目の効果と実際の成果のギャップ
- 会談は「国際的に注目を集めるアピール効果は大きい」としつつ、実際にどこまで政策が進むかは不透明と報道。
- 中国の反発を招くリスクを明示し、台湾にとって両刃の剣になり得ると論じる。
- 経済・通商面での影響は「詳細次第」と冷静に分析。
👉 中国時報 政治・国際
風傳媒(独立系):初の外交舞台と戦略の継続性
- 高市首相にとって「初めての本格的な外交舞台」としての意味を強調。
- FOIP(自由で開かれたインド太平洋)戦略を、安倍時代からの継続課題として現状に合わせてどう進めるかを分析。
- 実務的な情報共有や共同訓練の積み上げが重要と指摘。
👉 風傳媒 国際・評論
「日米台連携強化の行方」:三つの焦点
- 経済協力:半導体・重要鉱物・エネルギー分野での協力強化。
- 安全保障:「台湾有事は日本の有事」との認識を再確認。共同訓練や装備相互運用性が焦点。
- 外交調整:米中関係の変動に備え、日本との連携を外交的セーフティネットとする必要性。
まとめ
- 自由時報:安倍路線継承と抑止力強化を歓迎
- 聯合報:戦略的意義を認めつつ過度な期待を戒める
- 中国時報:アピール効果は大きいが実際の成果は不透明、対中リスクを指摘
- 風傳媒:高市首相の外交デビューとFOIP戦略の継続性を分析
つまり台湾は、今回の会談を「日米台の戦略的連携を後押しする歴史的な一歩」と見ながらも、現実的には中国の反発や米国の政策変動を冷静に見極めようとしているのです。


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