SSD業界最新レポート|AI需要拡大とOEM調達傾向、中国ブランドの台頭、キオクシアの起死回生戦略と市場シェア動向を解説

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 2025年SSD業界最新レポート。AI需要拡大でエンタープライズ市場は韓国勢が二強体制を築き、Micronが続く一方、キオクシアは起死回生を狙うも低位に甘んじている。クライアント市場ではKingstonが圧倒的首位を維持し、中国ブランドが急台頭。OEMでは米国系がYMTCを排除している。市場動向と今後の課題を徹底分析。

2025年Q2 SSD市場大激変
AIサーバー需要が爆発?!、コンシューマー市場では中国ブランドが急台頭

──日本産ブランド「キオクシア」のNANDは食い込む余地があるのか


冒頭解説

 2025年Q2のSSD市場は、エンタープライズとコンシューマーの両分野で大きな転換点を迎えています。エンタープライズSSD(eSSD)市場では、AIサーバー需要の急拡大が売上を押し上げ、SamsungとSK Groupが二強体制を築きつつあります。一方、クライアントSSD(cSSD)市場では、Kingstonが圧倒的首位を維持するものの、ADATAやLexarに加え、中国系ブランド(Kimtigo、Biwin、Colorfulなど)が急速にシェアを伸ばし、競争環境が大きく変化しています。
この中で注目されるのが、日本発のブランド キオクシア(Kioxia) です。ハイブリッドボンディング技術を武器にAI用途で「起死回生」を試みていますが、現状はエンタープライズ市場で低位に甘んじているのが実情です。コンシューマー市場ではリテール展開が限定的で、OEM供給中心の立ち位置にとどまっています。果たして、急台頭する中国ブランドに対抗し、キオクシアのNANDはグローバル市場で食い込む余地があるのでしょうか。

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エンタープライズSSD(eSSD)市場シェアランキング 2025年Q2

順位メーカー名売上高(億ドル)市場シェア
1位Samsung Electronics19.037.3%
2位SK Group(SK hynix+Solidigm)14.628.7%
3位Micron Technology7.8515.4%
4位Kioxia7.5013.7%
5位SanDisk2.134.2%

出典: TrendForce公式プレスリリース(2025年9月8日)

解説
 Samsungは北米CSPからの強力な需要を背景に首位を維持。SK GroupはSolidigmとの統合効果で急成長し、Samsungに迫る勢いです。Micronは大容量製品の検証遅延が響きましたが、依然として3位を確保。キオクシアはハイブリッドボンディング技術を武器にAI用途で起死回生を試みているものの、現状はエンタープライズ市場で万年低位に甘んじています。

クライアントSSD(cSSD)市場シェアランキング 2025年Q2

順位メーカー名市場シェア
1位Kingston Technology36%
2位ADATA Technology13%
3位Lexar11%
4位Kimtigo(中国9%
5位Biwin(中国8%
6位Colorful(中国6%
7位SCY(中国4%
8位GIGABYTE Technology3%
9位PNY Technologies2%
10位Transcend2%

出典: TrendForce公式プレスリリース(2025年11月7日)

解説
 Kingstonは圧倒的な流通網と価格競争力によって首位を維持している。ADATAは低価格帯とゲーミング向けの二層戦略を展開し、2位を確保。Lexarは中国市場での成長が顕著であり、中国系ブランド全体としても低価格帯を武器に急速にシェアを拡大し、グローバル市場で存在感を高めている。これに対し、キオクシアの自社ブランド「EXCERIA」はグローバル市場ではランキング外で、シェアは1%未満と小さい。主に日本市場や特定アジア地域で、マニア層を中心としたニッチブランドとして位置づけられている。

Kingston・ADATAのNAND調達戦略

  • Micron中心:エントリーからミドルレンジまで幅広く使用。
  • SK hynix:高性能製品に食い込み。
  • Kioxia:一部製品限定採用。
  • YMTC(中国):低価格モデルや中国市場向けで採用率増加中。

キオクシアの現状

キオクシアの現状と課題

  • cSSD市場:ブランド力は皆無に近く、リテール市場での存在感は薄い。
  • eSSD市場:シェアは万年低位。技術革新を試みるも、Samsung・SK Group・Micronの後塵を拝している。
  • OEM向け:第一調達先ではなく、二番手・三番手に位置づけられることが多い。

キオクシアのNAND戦略

果たして、キオクシアのSSD向けNAND戦略はどう評価できるのでしょうか。

  • 会社全体の戦略:Apple向けNAND供給に依存する「Apple一辺倒」構造。
  • eSSD市場での立ち位置:Samsung、SK hynix、Micronの余剰需要を拾う「棚から牡丹餅」的な戦略。
  • リスク:Apple依存度が高く、他市場での存在感が限定的。

 キオクシアの自社ブランド「EXCERIA」によるcSSD強化は、グローバル市場ではすでに限界に達している。OEM供給先ではMicronやSK hynixのNAND優位が続いており、競争環境は厳しい。一方、eSSDは市場シェアこそ低いものの、生成AIバブルによる需要拡大に便乗して出荷数の増加が見込まれる。そのため、消去法的ではあるが、今後はeSSD強化を戦略の中心に据える展開となる。

総合分析(まとめ)

  • eSSD市場:SamsungとSK Groupが二強体制。キオクシアは起死回生を試みているが、万年低位。
  • cSSD市場:Kingstonが圧倒的首位、ADATAは価格戦略で2位を維持、中国ブランドが急成長。
  • 調達戦略:Kingston・ADATAはMicron中心のマルチソース戦略。YMTCの存在感が増す一方、キオクシアは限定採用にとどまる。
  • OEM調達:Dell・HPは米国系メーカー中心、Lenovoは中国市場でYMTCを限定採用。キオクシアは二番手・三番手の位置づけ。
  • キオクシアの課題:Apple依存から脱却し、リテール市場やAI/HPC向けで独自の存在感を確立できるかが今後の鍵。

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