台湾半導体メモリ主要4社(Winbond、NANYA、PSMC、Macronix)の2025年最新売上高と利益動向を詳しく解説。DRAM市場ではCXMTの影響やDDR4生産終了による供給不足が深刻化し、台湾メーカーが恩恵を受ける可能性も。営業利益や研究開発費の負担、累積損益の構造まで網羅し、今後の市場展開に注目です。
台湾半導体メモリ主要4社とは
台湾半導体メモリ主要4社とは、Winbond (華邦),NANYA(南亞)、Powerchip Semiconductor; PSMC(力晶)、Macronix(旺宏)を指します。それぞれの会社の特徴は、
- Winbond:DRAM、フラッシュメモリ(NOR型、NAND型)、ロジックを手掛ける。
- NANYA:DRAM専業。Micronの技術ライセンスがある。
- PSMC:DRAM、フラッシュメモリ(NOR型、NAND型)、ロジックを手掛けるが、フラッシュメモリはお開き状態。
- Macronix:フラッシュメモリ専業で、NOR型とNAND型を手掛ける。お得意先は任天堂。

DRAMの主要メーカーは、韓国のSamsung、SK hynix、米国のMicronの3社で、DRAM全体の97~98%を占めている。残り2%のシェアをNANYA、Winbond、PSMCがシェアを分け合っているが、最近は中国のCXMTが低価格で市場をかき回しており、2025年第1四半期では、台湾DRAM3社の合計シェアを越した。
(DRAM売上高シェアは、Trendforce発表数値より筆者がグラフを作成)
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各社の売上高


2025年1月から5月までの、台湾メモリ主要4社の売上高をまとめています。PSMCは横ばいが続いていますが、他3社については、売上高が微増しています。売上高の推移を見ていくと、各社ともに、コロナ需要後の需要減、AI需要の波に乗れない製品ラインナップのため、2023年からのトレンドに大きな変化は見られないのがわかります。
DRAMに関しては、高性能DDR5、HBM以外は需要が少ないため、DRAMを手掛ける、NANYA、Winbond、PSMCは売り上げが厳しく、マクロニクスに関しては、不揮発性メモリ専業ですが、任天堂向けとニッチなフラッシュメモリマーケットのみなので、相変わらずAI以外のリテール状況は厳しい状況であると言えます。
NANYAに関しては、売上高が今年に入り上向き傾向のようです。DRAM主要3社のDDR4生産終了通告による恩恵でしょうか。6月の売上高ならびに2025年上半期の決算を今後見て確認していきたいと思います。
各社の営業利益

PSMCとNANYAは本業の儲けである営業利益が赤字続きです。
PCMCとNANYAは、中国のDRAM最大手ベンダーのCXMTにより市場をかき回された影響が強く出ています。
Winbondも状況は同様ですが、NOR型フラッシュメモリの売上に支えられています。
各社の経常利益

さて、経常利益となると見方が一変してきます。
各社ともに営業費用合計の売上高に占める割合が40%近くあり、経常利益がマイナスに転落します。そして、各社共通ですが、売上高に占める研究開発費が35%ほどあり、開発費対効果が表れていないと言えます。
またWinbondは、いっとき黒字をはじき出しましたが、これは不動産を売却して現金を得たためです(Financial Reportより)。
各社の税引前利益

そして、最終的な税引前利益はご覧の通りになっています。2年以上赤字が続いている状況です。
累積損益 ~メモリは儲かるときはとことん儲かる?!

台湾メモリ各社は厳しい環境が続いてる状況ですが、2021年から累積した税引前利益をグラフにしてみると興味深いことが見えてきます。市場が低迷した状況が続いているにも関わらず、累積のキャッシュは黒のままです。
儲かるときには儲かるというメモリ業界特有の構図がのぞけます。
これだからメモリビジネスはやめられない、ということでしょうか。
興味深いDRAM動向 ~台湾DRAMは棚から牡丹餅?!
DRAM主要3社は、DDR3およびDDR4の生産を2025年中に段階的に終了する可能性を通告しています。さらに、DRAM市場をかきまわした中国のCXMTも生産終了を発表してきました。HBMや高性能DDR5に注力するためですが、DDR4の品不足が今後予想され、価格が上昇する可能性があります。
そうなると、高性能DRAMをラインナップに持たない、台湾DRAMメーカーにはとっては、棚から牡丹餅かもしれません。今後のDRAM動向に目が離せません。
さらにご関心のある方はこちらの記事もご参考ください。
【衝撃】DRAMメーカー、2025年末までにDDR3およびDDR4の生産終了を計画




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