中国政府がNVIDIA製AIチップ「H20」の使用制限を国内企業に指示。国家機密や政府関連プロジェクトでの利用を控えるよう求め、バックドア疑惑も浮上。NVIDIAは全面否定するも、中国側は技術資料提出を要求。米国の輸出規制と販売再開の舞台裏、AI・半導体分野での中国の自立戦略が加速。米中技術覇権争いの火花が散る!
=====================> 本質はそこじゃない!
Source: China Urges Firms Not to Use Nvidia H20 Chips in New Guidance、Chinese Chipmakers Jump as Authorities Give Guidance on Nvidia
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中国当局、NVIDIA「H20」に使用制限!AI覇権争いが再燃
2025年8月、中国政府が国内企業に対し、米NVIDIA製AIチップ「H20」の使用を制限するよう指針を出した。対象は政府系プロジェクトや国家機密に関わる分野。背景には、米中間の技術覇権争いと、AIインフラの安全保障を巡る緊張がある。AMD製品も同様の扱いとなり、米国製AIアクセラレーターへの依存脱却が加速している。
「バックドア」疑惑浮上、NVIDIAは全面否定
中国サイバーセキュリティ規制当局(CAC)は、H20チップに「遠隔操作や位置追跡が可能なバックドアが存在する」との懸念を表明。これに対しNVIDIAは「セキュリティは最優先事項。バックドアの存在は事実無根」と強く反論。中国側は技術資料の提出を求め、関係者への事情聴取も進めている。緊張は一層高まっている。
米国の輸出規制と“条件付き”販売再開の舞台裏
米政府は2025年4月、H20を対中輸出規制の対象に指定。しかし7月には条件付きで販売再開を許可。トランプ前大統領は「中国での売上の15%を米政府に提供する」条件で再開を認めたと発言。中国側はHuaweiやBirenなど国内企業に対し、NVIDIA製品の使用を控えるよう非公式に指導しているという。
中国AI・半導体産業、自立へのカウントダウン
今回の動きは、中国がAI・半導体分野での技術的自立を急ぐ証左。NVIDIAにとって中国市場は収益の柱だが、規制強化が続けば影響は避けられない。国内企業の台頭と米中間の技術競争が、AIチップ市場の勢力図を塗り替える可能性も。次の一手はどこから飛び出すのか、世界が注目している。
しかし、本質はそこじゃない!
中国の“メンツ”を背負うHuawei
NVIDIAを排除するだけでは終われない。中国が掲げる「技術自立」の旗印として、Huawei製AIチップ「Ascend 910C」が注目を集めている。推論性能はNVIDIA H100の約60〜80%に達し、SMIC製7nmプロセスで量産中。DeepSeekやAlibabaなどが採用を進め、国内AIモデルの推論処理を担う“現場の主力”になりつつある。
ただし、実際には限界があるのも事実。トレーニング性能はまだ弱く、効率や歩留まりも課題。半導体IC開発製造するための装置・材料の不良率、耐久性など、実運用での問題は明らか。AI言語モデルの精度も、データベースの質で米国製との差が浮き彫りになっている。

NVIDIAの儲け主義と米国の規制緩和の舞台裏
米国政府は2025年4月、H20を対中輸出規制の対象に指定。しかし7月には条件付きで販売再開を許可。トランプ前大統領は「中国での売上の15%を米政府に提供する」条件で再開を認めたと発言。NVIDIAは性能を抑えた“規制対応版”を投入し、中国市場での収益維持を図っている。
この動きには、儲け主義だけでなく政治的な駆け引きも絡む。米国はAI覇権を維持するために、一定の技術供給を容認する戦略を取っている可能性がある。一方、中国はHuaweiを中心に“国産AIチップ”の旗を掲げ、技術自立を演出。米中の駆け引きの裏で、現場は今も揺れている。
中国で急増中のNVIDIA製AIチップ修理需要|密輸と裏ビジネスの実態
一方、民間レベルでは、米国が輸出禁止したNVIDIA製AIチップが中国で密かに流通し、修理ビジネスが急成長している。深圳を中心に月数百件の修理が行われ、価格や技術対応もハイレベル。修理需要の背景にはGPUの高負荷運用と故障率の上昇があり、急拡大中。
こうした連鎖を断ち切りたい思惑と相まって、国のメンツをかけて、Huawei製Chipを御旗のもとに進めたいとする意図が容易に読み取れる・・・
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筆者について:日本の大手電機メーカーの半導体部門を退職後、台湾の先端半導体開発に10年携わった。台湾半導体開発の内情を良く知る。


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