Phison CEOが「NAND価格は半年で2倍、供給不足は10年続く」と警告。AI需要がSSD市場に激震をもたらし、価格高騰と構造的不足が長期化。AIバブルの行方にも注目。今後の価格動向や供給リスクを整理し、SSD購入判断に役立つ情報を網羅。AI時代のストレージ戦略を読み解き、個人にも影響が及ぶ現状を明らかにする。
NANDフラッシュメモリの供給危機:Phison CEOが語る10年スパンの構造的不足
スマートフォンからデータセンターまで、あらゆるデジタル機器に不可欠なストレージコンポーネントであるNANDフラッシュメモリ。その市場が今、かつてないほどの供給危機に直面している。Phison ElectronicsのCEO、Khein-Seng Pua氏は「この重要な商品の価格はわずか6か月で2倍以上に高騰し、供給不足は今後数年にわたって市場を特徴づけることになる」と厳しい見通しを示した。
半年で価格2倍:急騰の実態
2025年初頭、1Tb TLC NANDチップの価格は約4.80ドルだったが、11月には10.70ドルに達した。Phisonによれば、これは「AIインフラの爆発的な需要による構造的な転換」であり、単なる一時的な高騰ではない。
「2026年分のNAND供給はすでに完売しており、2027年まで価格上昇は続くだろう」
— Khein-Seng Pua, CEO of Phison Electronics

AIが引き起こすストレージ需要の爆発
AIモデルの学習フェーズではGPUが中心だったが、推論フェーズでは高速ストレージが鍵を握る。特にAGI(汎用人工知能)やLLM(大規模言語モデル)の商用化に伴い、データセンターではHDDからSSDへの移行が加速している。
Phisonは「AIの推論処理は、従来のストレージ需要を桁違いに押し上げる」とし、NANDの需要は今後10年にわたり高水準で推移すると予測している。
供給側の投資不足と慎重姿勢
過去5年間、NAND市場は価格競争と利益率の低迷に苦しみ、製造設備への投資が停滞していた。特にコンシューマー向け製品では、価格下落が激しく、メーカーは慎重な生産戦略を取らざるを得なかった。
この結果、現在の急激な需要増に対して供給能力が追いつかず、構造的な不足が発生している。
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今後の展望と業界への影響
Phison CEOは「NAND不足は最大10年続く可能性がある」と警告しており、業界全体が長期的な供給戦略の見直しを迫られている。Micron、Samsung、SK hynixなどの大手メーカーも、設備投資の再開と長期契約の強化に動き出している。
一方で、コンシューマー市場ではSSDやメモリの価格が急騰し、一般ユーザーにも影響が及び始めている。
まとめ
Phison CEOの発言は、NAND市場が単なるサイクルではなく、AI時代の構造的な転換点にあることを示している。今後の価格動向や供給戦略は、AIの進化と密接に連動しながら、業界全体の再編を促すことになるだろう。
ただし、このAIバブルがいつ弾けるのかは、要注意だろう。
参考資料
- TrendForce公式プレスリリース(2025年9月8日)
- Guru3D(Phison CEO Predicts Decade-Long NAND Shortage Amid AI Boom)
- Lowyat.net(Prices Of NAND Flash Memory Have Doubled In Three Months)
- TechPowerUp(NAND Flash Prices Doubled in Six Months, Warns Phison CEO)
- Tom’s Hardware(Phison CEO Confirms NAND Prices Have More Than Doubled)
- PCMag(SSD Storage Prices to Climb as AI Demand Meets Tight NAND Supply)


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