サムスンV-NANDは第7世代176層から第8世代236層、第9世代321層へ進化し、SSD性能と効率を高めています。市場はAIやデータセンター需要を背景に回復基調。サムスンは第10世代400層超、2030年に1,000層を目指す計画。本記事は各世代の技術、代表SSD、競合動向を整理し、NAND市場の将来を解説します。
サムスン第8世代V-NANDとNAND市場回復の行方
市場回復と成長予測
NANDフラッシュ市場は2023年から2024年にかけて供給過剰と価格下落に直面しましたが、データセンター投資やAI関連アプリケーションの拡大を背景に回復基調にあります。調査会社のレポートによれば、3D NANDフラッシュメモリ市場は2031年までに168.6億米ドル規模に達し、年平均成長率は約17%と予測されています(出典:OpenPR, 2024)。
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サムスンの戦略と第8世代V-NAND
市場回復のタイミングで、サムスンは第8世代V-NANDの量産を拡大しました。第8世代は236層のセル積層構造を採用し、1TbのTLCチップを実現。インターフェースにはToggle DDR 5.0を採用し、最大2.4Gbpsのデータ転送速度を可能にしています。従来世代に比べて高速化と低消費電力化を両立し、モバイル機器からデータセンター、AIサーバーまで幅広い用途に対応できるようになりました(出典:Guru3D, 2024)。
第7世代から第9世代への進化
- 第7世代V-NAND:176層構造を採用し、当時としては業界をリードする高密度化を実現。
- 第8世代V-NAND:236層へ進化し、記録密度とI/O性能を大幅に向上。
- 第9世代V-NAND:ダブルスタック構造と新しいチャネルホールエッチング技術を導入し、321層に到達。QLC製品では書き込み性能やデータ保持性能も改善されています(出典:Samsung Semiconductor Newsroom, 2023/PC Watch, 2023)。
新しいエッチング技術の意義
層数が200を超えると、すべての層を貫通するチャネルホールを正確に形成することが難しくなります。第9世代で導入されたチャネルホールエッチング技術は、深い穴を均一に掘り進めることを可能にし、従来の課題を克服しました。これにより、超高層化と高い歩留まりを両立し、2030年に1,000層を目指すロードマップの現実性を高めています(出典:Samsung Semiconductor Newsroom, 2023)。
世代ごとの代表的SSD製品
- 第7世代(176層):Samsung PM9C1a(クライアント向けNVMe SSD)
製品情報(Samsung公式) - 第8世代(236層):Samsung PM9E1、Samsung 9100 PROシリーズ(PCIe 5.0対応SSD)
PM9E1製品情報 - 第9世代(321層):エンタープライズ向けSSD(QLC/TLC版)、今後クライアントSSDやモバイルUFSにも展開予定
Samsung Newsroom発表
競合他社の動向
Micron、SK hynix、Kioxia、Western Digitalといった主要メーカーも次世代NANDの開発と量産を進めており、各社が市場シェアの拡大を狙っています。特にAIサーバーやクラウドサービスの需要が急速に拡大しているため、どのメーカーも高層化と高速化を急ピッチで進めざるを得ない状況です。
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今後の展望
サムスンは第10世代で400層超を目指し、さらに2030年には1,000層を超えるロードマップを描いています。市場が回復基調にある今こそ、各社が技術力と供給力を競い合う局面であり、層数競争と用途拡大が今後の焦点となるでしょう。
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