2025年Q4、NANDフラッシュ価格は5〜10%上昇予測。HDD不足とAI需要がQLC SSD普及を加速し、Samsung・SK hynixの最新3D NAND世代や市場動向、製品例、価格要因、今後の展望までを整理し、半導体業界全体の最新動向を詳しく解説するレポートです。AIサーバー需要やストレージ市場の変化も分析。
【2025年Q4】NANDフラッシュ価格が5〜10%上昇へ──QLC SSDがAI時代の主役に
HDD不足がNAND価格に波及する構造
2025年後半、HDDの供給不足とリードタイムの長期化がクラウド事業者(CSP)にとって大きな課題となりました。
その結果、ストレージ需要は急速にQLCエンタープライズSSDへとシフト。SanDiskは10%の値上げを発表し、Micronは価格と供給の不安定さから見積りを一時停止。市場の供給側心理は「慎重」から「強気」へと転換しています。
👉 HDD不足 → SSD需要急増 → NAND価格上昇 という連鎖。
QLCがAI時代のストレージを支える理由

QLCの特徴
- 1セルに4ビットを格納できるため、高密度・低コストを実現
- 書き込み耐性やランダム性能はTLCより劣る
- しかし、大容量データのシーケンシャル読み出しが中心のAI・クラウド用途では弱点が目立ちにくい
運用での工夫
- SLCキャッシュやDRAMキャッシュで性能を補完
- 階層型ストレージ構成により、頻繁アクセスは高速SSD、アーカイブはQLCと役割分担
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QLC採用エンタープライズSSD製品と3D NAND世代
SanDisk UltraQLC™ 256TB NVMe SSD
- 容量:最大256TB(2026年提供予定)
- NAND世代:BiCS8 QLC(約218層)
- 特徴:Direct Write QLC技術でSLCキャッシュ不要、電源喪失時も安全
SK hynix PS1012 U.2
- 容量:最大61TB(将来的に122TB・244TBモデルも計画)
- NAND世代:321層 3D QLC NAND(2025年8月量産開始)
- 特徴:従来比でリード性能18%向上、電力効率23%改善。AIデータセンター向け
Samsung エンタープライズQLC(PM9A3系 / V9世代)
- 容量:30TB級(データセンター向け)
- NAND世代:V9 QLC(280層、2026年上期に本格展開予定)
- 特徴:SamsungはV7でQLC展開済み、V8はQLCスキップ。V9は価格動向注視しながら投入。V10(420層超)はTLC中心で2025年後半量産予定。
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製品別の市場動向
Client SSD
在庫調整が進み、QLC大容量モデルの需要が堅調。
Enterprise SSD
120TB超の超大容量モデル需要が急増。2026年には供給不足懸念。
eMMC / UFS
中国メーカーとの競争激化で価格上昇は限定的。ただし損失回収のため値上げの可能性あり。
NAND Wafer
プロセス移行による一時的な生産ギャップで供給逼迫。価格上昇が続く見込み。
今後の展望とユーザーへのアドバイス
- 短期(2025年Q4):HDD不足とAI需要でNAND価格は5〜10%上昇
- 中期(2026年):エンタープライズSSDの需要急増で供給不足が顕在化
- 長期:QLC普及とともに、PLC(5bit/cell)など次世代技術への移行が進展
👉 一般ユーザーはSSD買い替えのタイミングを慎重に見極める必要があり。
👉 投資家は、QLCとAI需要の連動性を軸にストレージ関連銘柄を注視。
参考資料:


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