NANDフラッシュ市場シェア2026Q1|Samsungが104.7%増で独走、キオクシアはシェア低下で国内評価と乖離

NANDフラッシュメモリ市場動向 半導体メモリ

2026年第1四半期(Q1)のNANDフラッシュ市場は、AIサーバー向けeSSD需要の拡大を背景に急成長しました。Samsungは売上高が前期比104.7%増となり首位を維持するとともに、競合各社との差をさらに広げています。

一方で、SK hynix、Micron、SanDisk、キオクシアは2位グループとして激しい競争を展開しています。特にキオクシアは市場シェアを落とし、日本国内での高い知名度とは異なる厳しい市場ポジションが浮き彫りとなりました。

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上位5社合計売上が前四半期比83.7%増

——AI需要急騰がNAND市場を塗り替える
 TrendForceの最新調査によると、2026年Q1のNANDフラッシュ市場は、AIサーバー向けエンタープライズSSD需要の爆発的拡大と構造的なHDD不足を背景に、大手5社の合計売上高が389億ドルを突破した。サプライヤー各社のASP(平均販売単価)は期待を大きく上回り、前四半期比83.7%増という歴史的な急伸を記録した。

シェアランキング(2026年Q1)

順位企業売上高前期比市場シェア
1Samsung135.1億ドル+104.7%(5社中最高)31.6%(前期比 +3.6pt)
2SK Hynix Group(Solidigm含む)75.3億ドル+44.6%17.6%
3Kioxia59.6億ドル+80.0%13.9%
4Micron59.5億ドル+96.7%13.9%
4SanDisk59.5億ドル+96.7%(DC向け+200%超)13.9%
Trendforce 1Q26 NAND Revenue Ranking
出典:TrendForce「Combined Revenue of Top Five Global NAND Flash Suppliers Rose by 83.7% QoQ for 1Q26

各社動向

Samsung——5社中最高の成長率で首位を盤石化

 Samsungは四半期契約価格の上昇とサーバー向けビット出荷量の大幅増を両輪に、前期比104.7%増と5社中最高の成長率を記録した。売上シェアも28%から31.6%へ急伸し、首位の座をさらに盤石なものとした。

SK Hynix Group——Solidigmが高容量QLC需要を着実に取り込む

 SK Hynix GroupはSolidigmが高容量QLCエンタープライズSSDの受注を着実に積み上げ、グループ全体で前期比44.6%増を達成。高騰するASPを追い風に、2位のポジションを維持した。

Micron・SanDisk——4位タイ、ともに前期比96.7%増

 MicronはNAND ASPの大幅上昇を享受し、前期比96.7%増の59.5億ドルを記録。市場シェアは13.9%へ回復し、SanDiskと並ぶ4位タイとなった。

 SanDiskはデータセンター(DC)向けビジネスが前期比200%超という驚異的な成長を達成。高付加価値製品へのミックスシフトが奏功した形で、Micronと同じく59.5億ドル・13.9%のシェアで4位タイに並んだ。

Trendforce 1Q26 NAND Revenue Trend
Samsungは前期比104.7%増と5社中最高の成長率
Trendforce 1Q26 NAND Market Share
キオクシアのシェアは年々低下傾向にある。

中国YMTCのシェア

 最下位から着実に追い上げているのは、中国のYMTCである。2026年Q1は前期比でシェアが1ポイント低下したものの、依然として10%台を維持し、下位層からの浮上を確実なものにしつつある。

 同社の強みは、国産装置の採用比率と工程内歩留まりの改善速度にある。武漢第3ラインでは、エッチャー・CVD・CMPなど主要前工程装置の国産化率が50〜60%に達し、TEL・LAMなど海外装置とのハイブリッド構成で安定稼働を実現。300層級NANDの歩留まりは前期比で大幅に改善し、量産水準に近づいている。 この技術的成熟が、キオクシアやMicronが苦戦する領域での競争力を押し上げており、AIサーバー向けストレージ需要の拡大を背景に、次四半期以降の再加速が注目される。

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【注目】キオクシア——日経の人気株と世界市場の現実

 キオクシアは東証プライムでほぼ連日のように注目を集め、NAND関連銘柄の筆頭として個人・機関投資家双方から強い関心を受けている。しかし世界市場のデータを冷静に見ると、やや異なる景色が浮かぶ。

 2026年Q1のグローバルシェアは13.9%。前四半期からポイントを落としており、業界全体の売上が83.7%拡大するなかで、相対的には出遅れた格好だ。

 根本的な要因は製品ポートフォリオの構造にある。キオクシアはiPhoneをはじめとするコンシューマー向けNANDを主力に成長してきた企業であり、エンタープライズSSD——特にQLC大容量モデルの分野では、Samsung・SK Hynix/Solidigm・Micronに対して後発的な立場に置かれてきた。今まさにAI投資が牽引するサーバーストレージ需要の波は、エンタープライズ製品に強みを持つ企業に厚く恩恵をもたらす構造になっている。

 NAND単価の急騰はキオクシアにも確かに追い風となり、前期比80%増という数字は十分に好調だ。ただし市場全体が83.7%拡大するなかでのシェア低下は、「NAND相場高騰=キオクシア特需」という市場の期待とは、実態がやや乖離していることを示唆している。日本国内では筆頭NANDメーカーとして注目を集めるが、世界市場における立ち位置は、AI時代においても大きくは変わっていない。

2026年Q2以降の見通し

 TrendForceは、2026年を通じて大手サプライヤーは実質的に新規生産能力を追加しない見通しと分析している。AI関連需要が高止まりするなか、需給ひっ迫は年末まで続く見込みだ。

  • 200層以上の製品が市場の標準に
  • 生産リソースはサーバーストレージへの集中が続く
  • 高容量QLCエンタープライズSSDの市場普及がさらに進む
  • スマートフォン・PC向けは高騰コストが需要を冷やすが、旺盛なサーバー需要が補完

 引き続き供給不足が続くと予測されるなか、ASPの高水準は2Q26も維持される見通しであり、サプライヤー各社はサーバー向け出荷増と価格維持を軸に業績拡大を狙う局面が続きそうだ。


出典:TrendForce「Combined Revenue of Top Five Global NAND Flash Suppliers Rose by 83.7% QoQ for 1Q26」(2026年5月25日)

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