2026年のDRAM市場で、勢力図が大きく動いています。Samsungがシェア39%で首位を奪還する一方、Micronは25%まで急伸し、SK hynixとの差をわずか1ポイントに縮めました。さらに中国CXMTは前年比716%増と驚異的な成長を記録しています。
背景にあるのは、生成AIによるAIサーバー向けメモリ需要の急拡大です。Counterpoint ResearchとTrendForceの最新データをもとに、Samsung、SK hynix、Micron、CXMTの順位変動を分析し、AI時代のDRAM市場で何が起きているのかを読み解きます。
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Samsungが首位奪還、Micronがわずか1年で売上高5倍に
Counterpoint Researchの調査によると、2026年Q2のDRAM市場でSamsungのシェアは39%まで拡大し、2024年当時の水準に回復した。前年同期にSK hynixへ首位を譲ったところからの、鮮やかな巻き返しである。従来型DRAMの供給力と価格戦略の両面で優位に立ったことが要因とされる。
対照的にSK hynixのシェアは、前年同期の39%から26%へと大きく落ち込んだ。売上高自体は前年比214%増と好調だったが、HBM(広帯域メモリ)価格の下落と、早期に締結した長期契約(LTA)が現在の市況より低い固定価格になっていたことが響いた形だ。
一方、Micronの伸びも際立つ。シェアは25%に達し、SK hynixとの差はわずか1ポイントまで縮小した。Counterpoint副社長のNeil Shah氏は、MicronのDRAM売上高が2025年Q2から5倍に拡大しており、近く2位に浮上する可能性があると指摘している。

なお同四半期は従来型DRAM価格がQoQ(前期比)で急騰した一方、HBM価格はHBM3E製品の値下がりとHBM4投入の遅れにより前年比で下落した。もっとも、NVIDIAの「Vera Rubin」やAMDの「Instinct MI455X」向けにHBM4出荷が2026年Q3から本格化しており、価格下落は縮小に向かうとみられる。
TrendForceの1Q26データで見る、実際の売上規模
シェア推移だけでなく、実際の売上高スケールを確認しておきたい。TrendForceが公表した2026年Q1のDRAM売上高ランキングでは、市場全体が前期比81%増の約970億ドルに達し、価格スーパーサイクルの実態が数字で裏付けられた。
Samsungの売上高は373.2億ドル(シェア38.5%)、SK hynixは279.8億ドル(同28.8%)、Micronは217.5億ドル(同22.4%)。台頭著しい中国CXMTは73億ドル(同7.6%)に達し、台湾勢(Nanya、Winbond、PSMC合算)は22億ドル(同2.2%)だった。

このデータからも、AIサーバー向け需要が従来型DRAM価格まで押し上げ、上位3社の寡占構造が続く一方でCXMTのシェアが着実に積み上がっている様子が読み取れる。


中国CXMTの猛追——DRAM市場でも前年比716%増
2026年Q2のCounterpointデータでは、CXMTの成長率は前年比716%増と全DRAMサプライヤー中で最も高く、台湾Nanyaも同690%増と急伸した。CXMTは国内需要の強さと生産能力拡張を追い風に、従来型DRAMでシェアを積み上げている。
Neil Shah氏は、CXMTが最近のIPOで得た資金をHBMやLPDDR6向けの生産能力・技術力拡張にどう振り向けるかが今後の焦点になると指摘する。
PC向けなど比較的参入しやすい分野から始めて海外の主要顧客を獲得できれば、「Big Three」と呼ばれるSamsung・SK hynix・Micronの一角に食い込む日も遠くないとの見方を示した。
NAND市場でも中国勢が台頭——YMTCがMicron・Kioxiaを逆転
DRAM市場での中国勢追い上げは、NAND市場でも同様の構図で進んでいる。CNBCが報じたCounterpointの調査によれば、2026年Q2のNANDビット出荷シェアで中国YMTCが14%を獲得し、日本のKioxia(同じく14%)をわずかに上回って初めて世界3位に浮上した。米Micronは13%で5位に後退している。もっとも売上高ベースではYMTCは依然5位にとどまっており、出荷量の逆転がそのまま収益力の逆転を意味するわけではない点には注意が必要だ。
DRAM・NANDの両輪で中国メーカーの存在感が拡大している現状は、業界構造の変化を象徴する動きといえる。
AI時代のメモリ地図が示すもの
DRAM市場に見られる「Big Three」内部の順位変動——Samsungの首位奪還とMicronの猛追——に加え、CXMTが出荷・売上の両面で着実に存在感を拡大している構図は、輸出規制下でも中国メーカーの技術的キャッチアップが進んでいる現実を映し出している。
TrendForceのデータが示す通り、AIサーバー向け需要は従来型DRAM価格までも押し上げており、この価格スーパーサイクルがどこまで続くのか、そしてCXMTがHBMやLPDDR6といった次世代領域にどこまで食い込めるのかが、2026年後半以降のDRAM市場の焦点となりそうだ。半導体メモリ業界の勢力図は、四半期ごとに書き換えられる局面が続いている。
参考記事
- AI Demand Reshapes DRAM Rankings in Q2 2026; Samsung Leads, Micron Narrows Gap, CXMT Soars(Counterpoint Research)
- Rapid Contract Price Surge Drives 1Q26 DRAM Industry Up 81% QoQ, Says TrendForce(TrendForce)
- This Chinese firm has topped Micron and Kioxia in shipments of crucial NAND memory chips(CNBC)


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