SamsungがRISC‑V採用でSSD革命を宣言。PCIe 5.0 QLC「BM9K1」は最大11.4GB/sと23%省電力を実現し、エッジAI時代のローカル推論やAI PC性能を大きく底上げする注目モデルだ。Arm依存からの脱却を示す象徴的製品として2027年に登場する。
Samsung がついに本気を出した!RISC‑V コントローラ採用の PCIe 5.0 QLC SSD「BM9K1」登場で業界が揺れる
なんと!Samsung が SSD コントローラのアーキテクチャを大きく転換し始めた。
2026 年の China Flash Market Summit(CFMS 2026)で発表された BM9K1 PCIe 5.0 SSD は、同社として初めて RISC‑V ベースの独自コントローラを搭載したモデルだ。
これは単なる新製品ではない。
「Arm 依存からの脱却」 という、業界全体に衝撃を与えるメッセージでもある。
QLC で 11.4 GB/s。常識を覆す読み出し性能
BM9K1 がまず注目される理由は、QLC NAND を使いながら 11.4 GB/s のシーケンシャルリードを達成した点だ。
前世代の PCIe 4.0 BM9C1(Arm コア)比で 1.6 倍という、QLC では異例の速度である。
- Sequential Read:最大 11.4 GB/s
- Sequential Write:非公開(推定 10 GB/s 前後)
- NAND:QLC
- インターフェース:PCIe 5.0
- 容量:512GB / 1TB / 2TB
- 発売予定:2027 年
QLC はコスト効率に優れる一方、書き込み性能や耐久性で TLC に劣るため、ハイエンド SSD では敬遠されがちだ。
しかし Samsung は コントローラ側の最適化で QLC の弱点を補い、性能を引き上げる方向に舵を切った。

Arm → RISC‑V へ。これは業界にとって極めて重大なメッセージだ
BM9K1 の本質は、性能よりもむしろ 「RISC‑V への移行」 にある。
RISC‑V はここ数年、MCU やエッジデバイスで急速に拡大している。
その理由は明確だ。
RISC‑V が急速に広がる理由
- ロイヤリティ不要
- ISA 拡張が自由
- オープンエコシステムで開発が加速
- カスタム命令で専用アクセラレーションを実装可能
→ AI、ストレージ、暗号化など用途特化の最適化が容易
つまり RISC‑V は、「用途特化の最適化をしたい企業にとって理想的なアーキテクチャ」なのだ。
Samsung がこの波に乗らない理由はない。
むしろ、時勢の流れを読み、常に先を目指す Samsung の戦略性がここに表れている。
23% の電力効率改善。AI ノートや小型 PC で効く
BM9K1 は RISC‑V の柔軟性を活かし、前世代比で 23% の電力効率改善を実現した。
- 小型フォームファクタ PC
- AI ノート
- ファンレス系デバイス
こうした熱的に厳しい環境では、SSD の電力効率は性能以上に重要になる。
PCIe 5.0 世代で発熱が増える中、この改善は非常に大きい。
ターゲットは「Personal AI」市場。ローカル推論時代のストレージ
Samsung は BM9K1 を “Personal AI Computing” 向けと明言している。
想定される用途は明確だ。
- ローカル LLM 推論
- AI アプリのキャッシュ
- 生成 AI のワークスペース
- 大規模データセットの高速読み込み
AI PC の普及が進む中、ストレージは GPU や NPU と並ぶ重要コンポーネントになりつつある。
BM9K1 は「高性能 × 低コスト × 省電力」を両立し、AI PC のミドルレンジ帯を狙う戦略的製品といえる。
次は TLC × RISC‑V のハイエンド版か?
現時点では RISC‑V コントローラは QLC モデルに限定されているが、Samsung が将来的に TLC + RISC‑V のハイエンド SSDを投入する可能性は高い。
- RISC‑V IP の内製化が進めば Arm コントローラの置き換えは自然な流れ
- AI PC の高性能化で TLC 需要は依然強い
- PCIe 6.0 世代ではコントローラの柔軟性がさらに重要になる
BM9K1 はその布石として位置づけられる。
まとめ:BM9K1 は Samsung の SSD 戦略転換を象徴する製品
BM9K1 は単なる QLC SSD ではない。
Samsung が RISC‑V ベースの独自コントローラ時代へ踏み出した最初の製品であり、業界に対する強烈なメッセージでもある。
- QLC で 11.4 GB/s の高速性能
- RISC‑V による 23% の電力効率改善
- Personal AI 向けに最適化
- 2027 年発売予定
- そして何より、RISC‑V への移行という業界構造を揺るがす決断
AI PC 時代のストレージは、速度だけでなく 電力効率・最適化・コストが重要になる。
BM9K1 はその新しい基準を示す SSD だ。
参考資料
- Samsung Readies PCIe 5.0 QLC SSD with a Custom RISC-V Controller
- Samsung preps PCIe 5.0 QLC SSD with a controller based on open-source RISC-V architecture — BM9K1 delivers speeds up to 11.4 GB/s for ‘personal AI workloads’
- A new Samsung PCIe 5.0 QLC SSD is in the works with a custom RISC-V controller
あわせて読みたい:Samsung・SK Hynix・SanDiskがNAND価格をさらに2倍へ引き上げ、AI需要集中でコンシューマ向けSSDが昨夏比3倍に高騰する深刻な理由


コメント